なぜボーナスの税金が高すぎると感じるのか?知っておきたい税金の仕組みを解説
2026年07月20日
ボーナスの明細を見て「思っていたより手取りが少ない」と感じた経験がある方もいるかもしれません。
本記事では、ボーナスの税金が高すぎると感じる理由を、内訳や計算方法とあわせて解説します。納めすぎた税金の還付を受ける方法として、年末調整や確定申告のポイントも紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
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- なぜボーナスの税金が高すぎると感じるのか
- ボーナスから引かれているものの内訳
- ボーナスにかかる社会保険料・所得税の計算方法
- 納めすぎたボーナスの税金は年末調整・確定申告で還付を受けよう
- ボーナスの税金が高すぎると感じる理由を理解して、手取り額を増やす工夫をしよう

ボーナスの税金が高すぎると感じる理由には、所得税の計算方法や社会保険料の控除の仕組みが関係しています。
| 税金が高いと感じる理由 | 概要 |
| 1.所得税と社会保険料がまとめて差し引かれるため | 所得税に加え、社会保険料もボーナス額に応じて一度に差し引かれるため、総じて「税金が高い」と感じやすい |
| 2.前月の給与額で所得税率が決まるため | 所得税率が前月の給与額をもとに決定されるため、前月の残業代や各種手当が多いとボーナスの税率も上がる |
| 3.1回あたりの負担額が際立って見えるため | 差し引きが1回に集約されるため、分散して差し引かれる給与よりも負担額の大きさが目立ちやすい |
納得感を持ってボーナスを受け取るためには、まず「何が、どのような基準で差し引かれているのか」を正しく把握することが重要です。次章からは、内訳や具体的な計算方法について解説します。

ボーナスの明細を見ると、額面から下記2つの項目が差し引かれています。
それぞれの内容を見ていきましょう。
社会保険料
ボーナスからは、下記の社会保険料が差し引かれます。
| 社会保険料の種類 | 概要 |
| 健康保険料 | ●医療費の自己負担を軽減するための保険 ●保険料は会社と折半 |
| 厚生年金保険料 | ●国民年金に上乗せして年金を受け取れる厚生年金の原資となる保険 ●保険料は会社と折半 |
| 雇用保険料 | ●失業時の基本手当や育児休業給付金などの原資となる保険 ●保険料は事業主と労働者(本人)の双方で負担(事業の種類により負担割合は異なる) |
| 介護保険料 (※40歳以上65歳未満) |
●介護サービスの費用をまかなうための保険 ●保険料は会社と折半 |
| 子ども・子育て支援金 | ●令和8年度(2026年度)から新設された子育て支援施策の財源 ●健康保険料とあわせて徴収 |
所得税
ボーナスから所得税が引かれているのは、「源泉徴収」という制度によるものです。これは、会社があらかじめボーナスから所得税を差し引き、本人に代わって国に納付する仕組みを指します。
源泉徴収される所得税の大きな特徴は、「前月の給与が高いほど、差し引かれる税率も高くなる」という点です。
具体的な税率は、前月の社会保険料控除後の給与の金額と扶養親族の数に基づき、国税庁が公表している「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」で決定されます。税率は0~45.945%と幅広く設定されているため、前月に残業代などで給与が高くなると、ボーナスの税率も引き上げられます。

社会保険料と所得税は、それぞれ決められた計算式に基づいて算出されています。ここでは具体的な計算方法を、シミュレーションを交えながら解説します。
ボーナスにかかる社会保険料の計算方法
ボーナスにかかる社会保険料は、「標準賞与額」に各保険料率をかけて計算します。雇用保険料のみ、ボーナス支給額に保険料率をかけます。
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【標準賞与額とは】
実際の税引き前の賞与の額から1千円未満の端数を切り捨てたもので、支給1回(同じ月に2回以上支給されたときは合算)につき、150万円が上限となります。
なおボーナスが月間で150万円を超えても、それ以上の厚生年金保険料は発生しません。
具体的な計算式は下記のとおりです。
| 社会保険料の種類 | 計算式 |
| 健康保険料 | 標準賞与額×保険料率(※地域・健康保険組合により変動)÷2 |
| 厚生年金保険料 | 標準賞与額×保険料率(18.3%)÷2 |
| 雇用保険料 | 賞与総支給額×保険料率(0.5% ※令和8年度 労働者負担分・一般の事業の場合) |
| 介護保険料 (※40歳以上65歳未満) |
標準賞与額×介護保険料率(※健康保険組合により変動)÷2 |
| 子ども・子育て支援金 | 標準賞与額×支援金率(目安0.115%程度) |
また、健康保険料・介護保険料にも別途、年間(4月1日から翌年3月31日まで)の累計で標準賞与額573万円の上限が設けられています。
仮にボーナス額面が60万円(40歳以上・協会けんぽ東京都・令和8年度想定)の場合、各保険料および合計額は次のようになります。
| 項目 | 金額 |
| 健康保険料(9.85% ※折半後4.925%) | 600,000円 × 4.925% = 29,550円 |
| 厚生年金保険料(18.3% ※折半後9.15%) | 600,000円 × 9.15% = 54,900円 |
| 雇用保険料(0.5%) | 600,000円 × 0.5% = 3,000円 |
| 介護保険料(0.81%) | 600,000円 × 0.81% = 4,860円 |
| 子ども・子育て支援金(0.115%) | 600,000円 × 0.115% = 690円 |
| 社会保険料の合計 | 93,000円 |
ボーナスにかかる所得税の計算方法
ボーナスにかかる所得税は、次の3ステップで算出します。
- 【ボーナスにかかる所得税の計算方法】
- 1. 前月の給与から社会保険料等を差し引いた金額を求める
- 2. 「1」の金額と扶養親族の数を「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」に当てはめて税率を求める
- 3. ボーナスの支給額から社会保険料等を差し引いた金額に、「2」の税率をかける
例えば、社会保険料等を差し引いた前月の給与が25万円、扶養親族が0人の場合、算出率の表から税率は4.084%です。

参考:国税庁「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表(令和8年分)」
先ほどの「ボーナス60万円・社会保険料合計93,000円」のケースを計算式に当てはめると、所得税額は次のとおりです。
-
(600,000円 − 93,000円)×4.084%=20,705円(※1円未満切り捨て)
なお、前月に給与の支給がなかった場合や、ボーナスの金額が前月の給与額の10倍を超える場合は、「給与所得の源泉徴収税額表(月額表)」を用いた別の方法で税額が算出されます。
【補足】給与とボーナスにおける計算方法の違い
給与とボーナスでは、所得税の計算方法に下記のような違いがあります。
| 項目 | 給与 | ボーナス(賞与) |
| 使用する表 | 給与所得の源泉徴収税額表(月額表) | 賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表 |
| 表から決まるもの | 差し引かれる「税額」そのもの | 差し引かれる「税率(%)」 |
| 計算の基準 | 当月の給与額と扶養親族の数 | 前月の給与額と扶養親族の数 |
給与は「いくら差し引かれるか」が表で決まるのに対し、ボーナスは「何%差し引かれるか」で計算されます。そのため、ボーナスの金額が大きくなるほど差し引かれる金額も比例して増え、「高すぎる」と感じやすくなるのです。

ボーナスから差し引かれる所得税は概算であるため、実際よりも多く納めている可能性があります。その場合は、年末調整や確定申告で還付を受けられます。ここでは、税金が戻ってくる代表的なケースを確認しましょう。
年末調整で税金が還付されるケース
年末調整は、1年間の所得税の過不足を精算する手続きです。ボーナスを含む月々の給与から税金を納めすぎていた場合、還付金として12月もしくは翌年1月の給与と一緒に振り込まれます。
年末調整で還付を受けられるおもなケースは、下記のとおりです。
- 【還付を受けられるおもなケース】
- ● 年の途中で結婚や出産があり、扶養親族が増えた
- ● 生命保険料や地震保険料を支払っている
- ◯ 生命保険、医療保険、個人年金保険は対象
- ◯ 火災保険は対象外だが、火災保険とセットで加入する地震保険の保険料は対象
- ● 住宅ローンを返済中
- ◯ 住宅ローン控除の適用を受けている
- ◯ 初年度は確定申告が必要であり、2年目以降は年末調整で手続き可能
- ● iDeCoの掛金を支払っている
控除を受けるために必要な控除証明書は必ず保管し、会社への提出期限に間に合うよう準備しておきましょう。
確定申告で税金が還付されるケース
年末調整では対応できない控除がある場合は、ご自身で確定申告を行うことで税金の還付が受けられます。確定申告の対象になるおもなケースは、下記のとおりです。
| ケース | 概要 |
| 医療費控除またはセルフメディケーション税制を受ける場合 | ●年間の医療費が原則10万円(※総所得金額などが200万円未満の場合は総所得金額の5%)を超えた場合に適用。家族分も合算可能 ●セルフメディケーション税制は、健康診断や予防接種などの一定の取り組みを実施している方が、1年間に購入した特定の市販薬の合計額が12,000円を超えた場合に適用 |
| ふるさと納税をした場合 | ●6自治体以上に寄附した、またはふるさと納税ワンストップ特例制度を利用しなかった場合に申告が必要 |
| 年の途中で退職した場合 | ●退職後に再就職せず、年末調整を受けていない場合に申告が必要 |
| 雑損控除を受ける場合 | ●災害や盗難などによって資産に損害を受けた場合に適用 ●詐欺による損失は対象外 |
e-Taxを利用すればスマートフォンやパソコンから手続きができます。控除対象がある場合は、申請を忘れないようにしましょう。
【補足】パート・アルバイトやフリーランスの場合
会社員(フルタイム)以外の方がボーナスを受け取った場合は、税金の取り扱いに次のような特徴があります。
-
【パート・アルバイトの場合】
ボーナスから所得税が差し引かれていても、年間の総収入(給与+ボーナス)が178万円以下(※令和8年の税制改正後の基準)であれば、年末調整や確定申告をすることで源泉徴収された所得税は全額還付されます。
ただし、社会保険の壁(106万円・130万円)を超えると別途社会保険料の自己負担が発生します。世帯全体の手取りに影響する点には注意が必要です。
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【フリーランス・個人事業主の場合】
クライアントからボーナスやインセンティブという名目で報酬を受け取っても、給与ではなく「事業所得(または雑所得など)」の扱いになります。
会社員のような年末調整はないため、所得税が源泉徴収されている場合はご自身で確定申告して適正な税額に精算しましょう。

ボーナスの税金が高すぎると感じる背景には、所得税と社会保険料がまとめて差し引かれることや、前月の給与をもとに税率が決まる計算方法があります。納得感を持ってボーナスを受け取るためには、内訳や計算方法を理解しておくことが大切です。
また、年末調整や確定申告を活用すれば、納めすぎた税金が還付されるケースもあります。生命保険料控除や医療費控除など、利用できる制度を見直して手取り額の増加につなげましょう。
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・本記事は2026年7月20日の各種情報に基づいて作成しておりますが、将来の相場や市場環境、制度の改正等を保証するものではありません。
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